カラダの使い方

パドリングのストロークが早くできない原因

解剖学と体軸理論をベースに
「超具体的で再現性のあるカラダの使い方が出来る」
をコンセプトにしている、サーフコーチ・体軸セラピストの林です。

館山のRPCから、、、

  • もっとストロークが速くなったら・・・
  • 回転数を上げる事できたら、波取り合戦で負けないのに!
  • 目の前でバンバン波が割れてくるシチュエーションで、もっと速く漕げたら・・・

パドリングの回転数を上げるのって、結構難しいですよね。
今日は、この原因についてと回転数を上げるヒントをシェアしたいと思います。

ストロークの回転数を上げられない原因

この原因は、肩を使っているからというのが結論なのです^^;
なぜ、肩を使うと回転数あげられないのか?まずは説明してゆきますね。

肩を使うとストロークが遅くなります。
そして、ストローク時に肩(特に三角筋)を使えば、小さな筋肉の集まりの肩が痛くなります。
特に速く漕ぎたい、回転数を上げたい時に、ストロークの初動である入水時に肩を使うと、肩のアウターマッスルである三角筋が固まってしまい、動きが悪くなります。

肩のアウターマッスル:三角筋・大胸筋・広背筋
肩のインナーマッスル:ローテーターカフ

肩のアウターマッスル

肩のインナーマッスル:肩甲骨後側

肩のインナーマッスル:肩甲骨前側

この外側のアウターマッスルが固まれば、動きが悪くなるのは分かると思います。。
肩のインナーマッスルはローテーターカフとよばれ、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つのインナーマッスルで構成されて、肩甲骨から腕の上腕骨とつながっています
筋肉自体が小さいので出力は小さいのですが、腕を上げたり、下げたり、回したりする役割があります。

そして、肩の関節は強力な靱帯を持ってないので、可動域が大きいという特性があるのですが、反面、安定性に欠けています。
肩だけでパドルしていると、肩のインナーマッスルに負担をかけてしまい肩の靱帯にもの凄い負荷が掛かるんです。
そして肩に負担が掛かったパドルをし続けると、肩の靱帯がボロボロになって腕が上がらなくなってしまいます。

実際に間違ったパドルで無理を続けて、肩の手術した人から話しを聞いたとき、ドクターから
「肩の靱帯とインナーマッスルがボロボロになってて、靱帯は裂けてた」
って言ってました。
サーフィンをしたかったらしく、ブロック注射で痛みを麻痺させてパドルで肩に負荷を掛けた続けてしまったそうです。
肩に4箇所位内視鏡を入れた手術の痕があり、痛々しかったです。

ストロークの初動を変える事で肩に負担が掛からなくなる

回転数を上げようと思い、入水時から肩のアウターを使っていればそのまま、ストロークでも肩を使ってしまいます。
アウターの三角筋が優位なのでインナーマッスルのローテーターカフが劣位になり、体幹とつながる前鋸筋も使えなくなってしまいます。
常に肩のアウターマッスルである三角筋は収縮して力が入ってるから、硬い状態になってしまい回転数も上げたくても上げられません。
もっと速く漕ぎたい時はいかに肩のインナーマッスルを使うか?が回転数を高める上で重要です。
そこで使いたいのが、ローテーターカフとつながっている前鋸筋と言うわけですね。
肩の筋肉だけでは効率も悪いので、体幹までつなげて使う事で効率良く身体を使えるようになります。
肩甲骨の前側についている肩甲下筋と前鋸筋を使うと、インナーマッスルを体幹まで連結して使う事が出来ます。

肩甲下筋から前鋸筋、体幹への筋連結

 

回転数を上げる方法は、脇から腕を前に出す

脇から手を前に出すようにして入水する。
これで肩に力が入らなくなります。
ちょっと分かりにくいと思うので、かなり前に投稿した僕の人気のあるこの動画。

※昔の映像見るのって微妙ですね(笑

これだけでも、かなり違いを感じてくれてるようです。
「腕の出し方、疲れ方が違いますね。肩が疲れなりました。」
って声を色々な方から聞きます。

この原理は、脇を支点にして手を前に持っていく事が出来るから、肩に余計な力が入らなくなります。
肩のインナーマッスルとアウターマッスルのバランスが崩れてないので、肩がパンパンにならないというわけですね。
しかし、これだと入水してから手の動きに無駄があるんですよね。
無駄があるから回転数を上げてストロークする速い動きに対応する事が難しいんです。

入水方法で凄く上手いなぁ〜って見て思ったのが、ジョンジョン。
彼は脇から腕を前に出しているんですよね。
脇から前に出すという表現って???だと思うので、脇の付け根から腕を前に出すようにしてみてください。
昔の動画の方法でも、回転数を上げる事が可能です。

脇のクロスポイント

で、ジョンジョンはもっと効率良く入水しています。
実際に真横で見てたんですけど、なるほどね〜って感じでビックリしました。
回転数やたら速いし、毎回の1漕ぎ1漕ぎが速いけど丁寧にストロークしていました。

ジョンジョンのパドルの入水方法を実際にやってみたら「何これ?こんなに簡単に、しかも速く腕回るの?」って位回ります(笑
彼はどんな意識でこの方法を身につけたのか?プロセスを直接聞いてみたいくらい。
ターンでもそうですが、パドリングでもめちゃくちゃ効率の良いカラダの使い方をしています。
是非、ジョンジョンのパドルの映像を探して参考にしてみてください。

肩に力が入ると雑になって、肩のアウターマッスルがどんどんと固まって動きが悪くなります。
脇を支点にして入水してみてくださいね。
最終的には、車のエンジンのピストンが上下するような感覚が脇に生まれます。

 

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