こんにちは、パフォーマンス・コーチの林です。
テイクオフやライディングで練習している事がサーフィンでは上手く出来ない。
そして波に押されて終わった。
ライディングはレールを入れているつもりでも、スピードが付かずに失速してしまう。
そうすると
✔️ 何が悪いのだろうか?
✔️ 何がいけなかったんだろうか?
これがわからない・・・
こう思い続けてきた人に、質問です。
あなたは今まで、
「自分が何をやっているか」 分かった上で練習してきましたか?
実はこの“自分の何が悪いか分からない”には、理由があります。
Red Bull の High Performance Division と、Weill Cornell Medicine 関連機関の研究チームが関わった「Surf Science Project」。
足裏に圧力センサーをつけ、動作センサーや脳活動の計測なども使いながら、
「実際に波に乗っている最中のサーファーのカラダと脳で何が起きているのか」
を、可視化しようとしたプロジェクトです。
このプロジェクトが面白いのは、感覚で語られがちなサーフィンを、足裏の圧、視線、動作、脳活動といったデータとして見ようとした点です。
つまり、サーファー本人が「こう動いている」と感じていることと、実際にカラダやボード上での動きには、ズレがある可能性がある。
ここが、すごく重要なんです。
なぜなら、“自分が何をやっているか分からない”状態では、何を直せばいいかも分からないからです。
これ、世界のトップサーファのことだから、遠い話ではなく、この盲点だったことをやってみると、
「あ、ここが抜けてたから、 何が悪いのだろうか? 何がいけなかったんだろうか?」
ここに繫がっていた事が分かります。
今日はこの盲点とは何か?の解説とその盲点をどうやっていけば良いのか?の方法についてシェアします。
研究チームが測定してわかったこと。
それは、 「サーファーは、自分のパドルの速度も、 ストロークの角度も、 ライディングで足裏の体重移動も、普段、認識していないということでした」
パドルしながら、 「今の自分のストロークがどれだけ速いかなんて、 気にしていない」のが普通。
ましてやテイクオフで 「ボードを水平に、ボードが揺れないように」
こんな事を意識してサーフィンはしていないんですね。
冒頭の話に戻るんですが「何が悪いんだろう」 「何がいけなかったんだろう」
サーフィンをやっていると、 必ずこの問いにぶつかります。
ピークには入れている。 タイミングも悪くない。
それなのに、テイクオフしてからライディングにつながらない。
上手くカットバックが出来ない、レールを使っている感覚が分からない。
結局何が悪いのか——分からないって事になりますよね。
この「分からない」感覚、かなり正確にその状態を表しています。
なぜなら、分かるための「仕組み」が まだ整っていないから。
あなたの感知能力の問題ではなく カラダの動きが成り立たる土台の問題です。
サーフィンでよく言われることがあります。
「テイクオフでは
ボードは水平をキープして
胸で押して
視線は進行方向に向けて
パドルのスピードを落とさずに
立つタイミングを合わせて……」
これら全部、同時にやるのって、頭が混乱すると思います。
そして、何か一つを意識すると他を忘れてしまいますよね。
これらの方法はすべて、「結果としてそうなっている」というだけであって、 サーフィンで実践する時にやることじゃないんです。
「こうなっている」 を逆算して言語化した結果が 「同時にやれ」という方法になっている事が多いですよね。
実際に野球でもサッカーでもテニスでも、どんなスポーツでも同様です。
野球でボールを投げるときに、足の角度とか腕の角度とか、体幹と手足(四肢)の細かいパーツの動きを同時に意識して投げる事ってないですよね。
そもそもで運動時に意識出来るのって「3つが限界」なのがスポーツの指導では常識です。
Rule of threeと言われています。
サーフィンの場合だったら、乗った1本で3つも意識出来たらかなり上出来です。
しかも、波って常に変化するので、究極のバランススポーツであるサーフィンで、テイクオフだけで4つ5つの事を意識するのは、非現実的でしょう。
そして、それらをやっているときに「自分が何をやっているか」なんて分からないですよね。
では、何が起きているのか?
「何が悪いのか分からない」が 起きている根源は、自分が何をやっているか、 分かっていないことです。
より正確に言うと、「頭で意識している動き」と 「実際にカラダがやっている動き」に差があるという事。
ぼくは、これをパフォーマンス・ギャップと言っています。
つまり、「自分が何をやっているか」を意外と正確に理解していないということなんです。
パフォーマンス・ギャップは、「動きが悪い」から起きているのではなく、脳がカラダをあまり認識していないから起きています。
パドルなら、カラダが今、どんな体勢なのか。 パドルはどのくらいの速さで腕が回っているのか。
上半身はどんな体勢なのか?
ライディングなら、足裏がどんな圧を受けているのか。
これらの事が脳に殆ど情報として入ってきてない状態。
だから 「何をやっているか」が分からないということにつながります。
サーフィンや色々なスポーツの動作を覚えていくには、 5つの段階があります。
それがKQパフォーマンスピラミッドです。

KQパフォーマンスピラミッドは、僕が勝手に作った感覚論ではありません。
スポーツの世界では、いきなり専門動作を覚えるのではなく、身体の土台、基本動作、コントロール能力を作った上で、競技特有の動作へ進むという考え方があります。
さらに、固有受容感覚や姿勢制御の専門的な研究でも、足裏や関節からの情報、バランス、姿勢の安定が、スポーツパフォーマンスに影響することが示されています。
KQでは、それをサーフィン向けに翻訳して、
1つ目、脳と神経、カラダの状態。
2つ目、止まっている状態の作り方。
3つ目、脳とカラダのコントロール。
4つ目、動きの技術。
5つ目、サーフィンの専門動作。
この5階層に整理しています。
つまり、 テイクオフやターンだけを直すのではなく、 その動きが成立する土台から積み上げる。
これがKQピラミッドです。
つまり「何が悪いのか分からない」が解消しないのは、LAYER 1 の土台が不安定だから。
脳がカラダを認識していないから、 「自分が何をやっているか」が 分からない状態になってしまいます。
ここで質問です 「テイクオフしながら、足裏の感覚ありますか?」
足裏の感覚があると、足全体の感覚が生まれます。
テイクオフでこの足裏の感覚を少し意識するだけで、サーフボードのテールエリアの状態や動きが太もも全体から伝わってきます。
つまり、原因は『自分が何をやっているか分からない』だった。
ここからRed Bull Surf Science Project から、今日は2つほどピックアップしていきます。
このプロジェクトでは、足裏の圧、視線、動作、脳活動などを使って、サーフィン中に実際のカラダと脳で何が起きているのかを可視化しようとしました。
ここでKQ的に重要なのは、サーフィン中の動きは、本人の感覚だけでは捉えきれない部分がある、ということです。
例えば、
✅ 足裏にどんな圧がかかっているのか。
✅ パドル中にカラダがどんな状態になっているのか。
✅ ライディング中に、どこへ荷重が移っているのか。
こういう情報は、普段ほとんど感覚任せです。
つまり、意識してこれらをコントロールしているわけではないということ。
けれど、そこが見えるようになると、
「何が悪かったのか」
「どこがズレていたのか」
を見つける手がかりになります。
つまり、科学が示したというより、このプロジェクトが教えてくれるのは、
“自分が何をやっているか”を見える化することには、上達の大きなヒントがある
ということなんです。
実際に最近だとNABOSOが足裏のセンサーを高めるアイテムを販売して、
アスリートが使ってパフォーマンスの底上げを図っています。
自分が何をやっているのか?
ここが分かるようになるには、脳が自分のカラダを認識できるようにする事です。
そうすると、脳とカラダでのコミュニケーションが生まれてゆきます。
最初にやる事は、眠っている神経を起こすことです。
たったこんな事で?って感じで動きが変わってゆきます。
今の変化——感じてもらえましたか?
これが ピラミッドのLAYER 1 の土台が整い始めた状態です。
KQピラミッドの核心
ここで、KQピラミッドの本質について お伝えさせてください。
まず、KQ。Kinetic Quotient—— 運動感覚指数、と呼んでいます。
IQやEQが鍛えられるのと同じように、 脳とカラダの情報処理能力も後から上げることができます。。
先程でてきたKQのピラミッド

下から積み上がっているのが見えるでしょうか。
5の専門動作、ここを殆どの人がやっている領域です。
けれど1〜4のレイヤー が整っていないと、 5のレイヤー をどれだけ磨いても 積み上がらない。
LAYER 1 の「脳がカラダを認識できる土台」が 整っていなければ、 上をどれだけ磨いても積み上がらない。
つまり、簡単にピラミッドが崩れます。
家の基礎がない状態で柱を立てて屋根を作っても簡単に崩れてしまうのと一緒です。
多くの方法論は、一番上の5がほとんどです。
だから、サーフィンって難しいし、思うように前進できない。
そしてさらに、年齢と共に動きが悪くなる理由は
1〜3 の状態が低下しているから。
そして1〜3 の状態を作るのに、 特別な道具も、 特別な環境も、 何千万円もかかりません。
まずは、ピラミッドの底辺を作ること。 それが最速のルートです。
ここでハッキリ言います。
サーフィンが難しいと感じるのは
努力が足りないからではありません。
センスがないからでもありません。
年齢のせいでもありません。
ピラミッドを下から積み上げる 設計をしてこなかっただけです。
ピラミッドの一番上のLAYER 5 の話しかされてこなかった。
LAYER 1 の存在、ここって一般的に知られてなかっただけ。
だから、練習している割にサーフィンで出来なかった。
✅ 「どれだけ練習しても変わらない」 → 積む順番が間違っていただけ
✅ 「センスがある人は自然に分かる」 → LAYER 1 から自然と積み上がってるだけ
✅ 「年齢で動きが落ちた」 → LAYER 1〜3 が低下しているだけ。
このレイヤーの1-3整えれば、以前のようなな動きに戻ってゆきます。
Podcastの第一話では63歳のお客さんがはじめて全国に行けた話をしています。
その結果になった理由は、このピラミッドを下から丁寧に積み上げて行ったから。
つまりあなたは、まだ脳とカラダで使えてない部分があったということ。
そこが、これからの鍵です。
今日の結論はシンプルです。
テイクオフ、ターン。
カットバック、レールワーク。
これらは全部、ピラミッドの一番上です。
その下にある、脳と神経、カラダの状態。
止まっている時の構え。
脳とカラダのコントロール。
ここが整っていないと、上の動きは積み上がりません。
今日の話を聞いて、“じゃあ具体的に何から始めればいいの?”と思った人は、まず足裏です。
なぜなら足裏は、脳が地面やボードとの接点を知るための最初のセンサーだからです。
マッサージでも、整体でも、 基本的に「足裏から始める」のは 理由があります。
ボトムアップで行うことで、 全体が整っていくというセオリーがあるから。
KQピラミッドも同じです。
LAYER 1 の土台 「脳がカラダを認識できる状態」を作るには、 まず足裏の神経を目覚めさせることから。
1日たった3分、 スティックに乗るだけ。
それだけで、 ピラミッドの底辺が整い始める。
「自分が何をやっているか」が 少しずつ分かり始める。
難しい理論は覚える必要ありません。
それは、僕の仕事です。 あなたは、ただ乗るだけ、やるだけで大丈夫。
まず1日3分。1週間、続けてみてください。
そこから——ピラミッドが、積み上がり始めます。






















