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僕がパフォーマンス・スーツを作ったきっかけ

僕がRev.のウエットスーツを作ったきっかけについて今日は話していきますね。

ちょと長いですよ^^;

確か、2008年だったと思います。
僕はメーカーにいた時からつきあいのある工場のウエットスーツをずっと着ていました。

色々なブランドのウエットスーツを着てきましたが、そこの作るウエットスーツが色々と斬新なアイデアが
多く動きやすさやクオリティがとても高く、耐久性も高かったので、お気に入りだったんです。

けれど、2008年の年初にとあるブランドの専属工場の契約を結んだので、
今まで作っていたオリジナルのウエットも作れなくなったって連絡が来ました。

当時は困りましたよね(笑
幸い、ウエットは1着作ったばっかりだったので1年は問題ないなって思いましたが、その後はどうしようかなぁ〜って。

しばらく色々なメーカーを健闘しようと思いました。

現在でもそうですが、ウエットを着ると動きやすさって損なわれますよね。
動きやすいとかストレスフリーって唄っているけど、実際そんな事無いですよね?

前と比べるとマテリアルの進化で良くなっていますけど、ストレスフリーってストレス無しって事でしょ?
って思うわけです。
けれど、それは実現できていないわけです。

そこで疑問を感じていたんですよね。
何故でウエットを着ると動きにくくなるのかと・・・
ウエットを着るから当たり前じゃんって言われたらそれまでですが(笑

それじゃぁ、何も発展・進歩しないですよね。
当たり前を疑ってかかったんです。
イノベーションは既成概念を疑ってかかる事から
始まりますからね。

 

当時は日頃、トレーニングするときに
コンディショニング・インナーを着てたんです。
いまでは当たり前になっていますが、当時はインナーを着るのが流行はじめた頃です。

イチローさんやマー君などが着用している棒ブランドを好んで着ていました。

特に走るときの疲労感が違うので疲れにくいからいつもよりも集中して走れるし、何よりもタイムが伸びた。
そんな事を感じでいました。
さらに自然と足が持ち上げられて前に出て行く。
そんな感覚があったのを今でも覚えていますし今でも履くと同様の効果を感じられます。

パフォーマンス・スーツのアイデアのきっかけ

2009年4月、結婚して引っ越しをする時に自分たちで引っ越しをしました。
若かったから出来た事ですよね(笑

妻の借りてた部屋から、僕の住んでいた家への引っ越しです。
3階建てのマンションの2階に部屋があったので、階段の上り下りに疲れるだろうと思い
コンディショニング・インナーを着て引っ越しの荷運びをしたわけです。

当時住んでいた荻窪と妻の阿佐ヶ谷を数階往復して夕方には掃除も終わり引き払いが完了しました。
そして夕飯を食べている時に、「そういえばそんなに疲れてない!」
って気付いたんですよね。

荷物を持ちながら階段の上下を数十往復したのに、まだまだ体力残っているっと。
コンディショニング・インナー、凄いよねって改めて思ったんです。

そして夕飯食べているその時に、
この機能ウエットにあったら良いんじゃない?
って閃いたんです。

こんだけ動きもラクになるし疲れにくい機能を取り入れたウエットがあったら欲しいし着たい!
って思ったんです。ここがきっかけでした。

その数日後、こんなにコンディショニング・インナーは発展して着るのが当たり前になっている。
けれどウエットスーツって進歩していないよね?ってふと思ったんです。

サーフィンの動きって特殊?

だから、コンディショニング・インナーの機能を取り入れる事が出来ないのか?
って思いましたが、それは無いだろうと思いましたね。

無理だって思っているのは、研究や開発をしていない証拠だって思いました。

DSC_7902_wm

動きやすさを実現するには?

2009年当時の僕のバイオロジーの知識はほとんど無かったので、
行きつけの超一流カイロプラクターの阿部先生に相談しました。

コンディショニング・インナーの機能をウエットに入れたいけど可能だと思う?って内容を。
また、コンディショニング・インナーの機能が入ったウエットあったら着たい?
って質問もぶつけました。
※阿部先生もサーファーなので

「こんな機能あったら、絶対欲しいでしょ!
 ウエットに入れる事は可能だと思うよ」
との返答を頂きました。

カラダの動きやすさは骨格バランスと体軸を整える事。
これが最大の基本で有り、最大の秘訣である事を知りました。

黄金の骨格バランスという定義があって、その状態だと
最もカラダにストレス無くカラダを動かす事が出来ると言われています。

ウエットを着た状態で、その黄金の骨格バランスへ近づける事を目標に阿部先生の元へ何回も通い、
紙面上で色々なパーツレイアウトのパターンを作成してアドバイスをもらいました。
それと同時に、バイオロジカルについても色々と学ばせてもらいました。

ウエットにパーツを貼り付け

様々なパーツをウエットやラッシュガードに貼り付けてテスト

Rev.physical tuning technologyの元

そして、今まで持っていたウエットスーツを改造したり、
ラッシュガードにテーピングのパーツを貼り付けたりして実験を繰り返したんですよね。
けっこうな時間と費用を使いましたね(笑

その結果、もの凄く効果のあるパターンを絞り込めました。

このまま順調に進むのか??

まぁ、ココまではとても順調でこのままの勢いで行けるだろう〜!
って思っていたのですが、、、、
工場探しにめちゃくちゃ時間がかかりました。

数社あたってみたのですが、
僕が求めているクオリティーは出来ないよ
って言われたり、
作るよって言っているのに2ヶ月経っても全然作る気配が無かったり・・・
こんな複雑なパターンのウエット作りたくないとか・・・
工場の製造ラインが別で必要になるから、ちょっと無理。
などなど・・・八方塞がりでしたね。

そんな時にふと生地メーカーに企画を話して
工場を紹介してもらるかな?って思い、電話をしてみました。

そして生地メーカーに伺い色々と話してみたら
「この企画面白いですね、かなり斬新なデザインですねと。
 心当たりがあるので当たってみます。」
と言われ、今の工場を紹介されました。

サンプルが出来上がってくるまでもの凄く時間がかかりましたが、
色々と調整をして2009年の11月にやっとテストを開始する事が出来ました。

複数の硬さの違うマテリアルを組み合わせる事で
テーピング効果をだして、段階的加圧を取り入れる事に成功しました。

この時は工場探しを始めてから10ヶ月が過ぎていました。

 

最初のテストは、興奮のしっぱなしでした。
セミドライなのに、こんなに動きやすいの?3フルより動きやすいし!
パドリングがめちゃくちゃラクで、テイクオフも速くなってる気がする。

しかもセミドライだと2時間入れば疲労感満載なのに、4時間とか普通に入れる
さらにカラダがあんまり冷えないから、着替えがラクだねと。

この時一緒にテストをした後輩とかなり感動していたのを今でも鮮明に覚えています。

嘘くさい、そんなの出来るわけない

2009年の12月にデビューして、色々な人に

「嘘くさい、そんなの出来るわけない」
「無理でしょ、そんな事」
「サーフィンは特殊だから絶対無理」

って言われ続けてきました(笑

まぁ、誰もパドルがラクになるなんて考えられないですよね。
当時は着た人しかその効果を知らなかったですからね。
信じないと思います。

春夏、2年目での課題が山積みに・・・

最初の春夏、もの凄く効果は高かったのですが、めちゃくちゃ着心地が悪かった。
まだ、複数の硬さの違うマテリアルを使ったノウハウは蓄積されていなかったので、満足出来るモノでは無かった。
そう感じていました。

2年目の冬、昨年のウエットのテーピング効果が凄く薄れている・・・そう感じました。
柔らかい素材が経年劣化してしまい、硬さの違いが少なくなったためです。
また、コンプレッションをかけているので接着面の剥離問題にもぶつかりましたね(汗

2年目の夏からからテーピングパーツに使用するマテリアルの変更を行い、
冬用にもマテリアルの最適化とパターンの見直しを行いました。

その結果、3年目から満足のゆくテーピング効果を出せて
着心地も格段と向上させる事が出来ました。

ついに老舗ブランドが採用

2014年春から老舗ブランドの「Dove」さんにテーピングとコンプレッション効果の
テクノロジーが認められ、春夏から導入されました。
現在でもフラグシップモデルの「テクニカルスーツ」として展開されています。

※僕が特許取得しているので製品プロデュースとライセンス提携をしています。

2013年の夏前からテストを開始して、最初はいやぁ〜嘘くさいでしょ。
って疑っている方も多かったですね。

着てみて直ぐに効果を感じる方もいれば、じわりじわりと効果を感じてきて
「これは結構良いかも」って
違いを感じてもらい、最終的に採用されました。

ついに8年目に突入

そして今年から8年目に入り、今まで蓄えたノウハウを元に
様々なラインナップを揃える事が出来るようになりました。

正月から販売を開始した、パフォーマンスインナーは僕が予想していた以上に超好評です。
実際セミドライの中にも着てみましたが、2ミリの厚みがあるのに海に入るとしっくりなじみます。

・動きやすくなった
・テイクオフの足の引きつけが速くなった
・次の日の疲れが減った
などと、レビューを頂いていますね。

3月にオーストラリアへ行った際、使用していましたがパドルで肩ってこんなにも動くんだ!
って感動する程、僕も気に入ってしまいました。

7年もやってるから、今更感動すること無いだろうって思っていましたが違いましたね。
海の中で、サンシャインコーストの海で1人ニヤニヤして怪しい奴になっていました(笑

何人かの友人はパフォーマンス・インナーを着て、その場で衝動買いしてくれる位です。
かなり好評ですね。

冬は防寒用と動きやすさを出すのに使え
春・秋はウエットスーツの中に着て動きやすさを出します。
夏は1枚で着る事が出来、ハダカより動きやすくなります。
季節限定では無く、1年中使えるマストアイテムになっています。

ブランド立ち上げから今まで色々な名前で展開してきましたが
今年からコレ一本で統一して展開していきます。
やっと、しっくり来る名前が出来ました。

その名は
「パフォーマンス・スーツ」
です。

あなたのパフォーマンスを高める事が出来る唯一のウエットスーツ
それがパフォーマンス・スーツです。

ちなみに、パフォーマンス・スーツ、パフォーマンス・インナーは
ストレスフリーではありません。
あらかじめ言っておきます(笑

下半身〜ウエスト部にかけて段階的にコンプレッション(加圧)を
かけているので、着ている感が無いとかそういう類いでは無いです。
逆に、しっかりとサポートしてくれているという感覚が体験できます。

テーピングパーツは怪我した時などに使う、あの白いテーピングと同様で
しっかりと支える役目を持たせています。
コシのあるダイビング用のマテリアルを採用しました。

テーピングパーツにサーフィン用のマテリアルを使用すると
効果が薄いのと、メインマテリアルの経年劣化でテーピング効果が
減っていくので採用をしていません。

メインパーツとテーピングパーツ、この2つのマテリアルの差により
テーピング効果を出しています。

ドライを越える暖かさ

ドライを着てた人がパフォーマンス・スーツに乗り換えてから
ドライより暖かいって声を幾つか頂いていました。
内心本当かな??って思いながら・・・

他にも極寒の真冬の鹿嶋ではドライスーツの友人より長くサーフィン出来るし
体の芯から冷えてないから着替えが楽だった。

ライトドライだと足が冷えてしんどかったけど、
パフォーマンス・スーツなら足が冷えないからサーフィンのパフォーマンスが良くなる。
などなど、直接フィードバックをもらう事が出来ました。

そして今年の3月頭に公的機関を使いサーモグラフィーテストをしました。

その結果、ドライスーツよりカラダが冷えてない事が証明されました。
実際、この結果を受けてかなり興奮しました。

パフォーマンススーツ着用対比

 

冬の波良い日に満足ゆくまでサーフィンしたい??

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